NHKドキュメント「プロフェッショナル 仕事の流儀」にウェブデザイナー中村勇吾さんが出るというのでがぶりついてみてしまいました。
中村さんのすごさは結構あちこちで有名で、国際賞を受賞しまくってたりしますが、そんなことよりも実際に作っている作品を紹介したほうがすごさが伝わると思うので、ぜひこちらのリンクから中村さんのプロダクトをご覧になってください。たぶん度肝を抜かれると思います。
で、いろいろ見ていて、心に残ったいくつかの言葉を以下にピックアップ。メモ書きなので、正確性に書けると思いますが・・・。
状況に失望するというより、その状況に流されている自分に失望する。建築事務所で、思ったようなデザインの仕事が出来ず、気力をなくしているときの自分を振り返っての言葉です。これを聴いた瞬間、TVに「わかるわ!」と叫んでしまいました。
独学の人が強い。新しいものがどんどん出てくる世界では、何かひとつの体系をしっかり学ぶのはあまり意味が無い。どんどん出てくるものに対応できる反射神経が必要。独学のメリットについて質問されたときの返答。確かに体系はどんどん古くなり崩れていくし、教材はインターネットにばらまかれている、そんな時代ですからね。
イノベーションは個人の頭の中にしかない。いくら毎日毎日会議しても、個人の頭の中で起こってる以上のコラボレーションは起きない。組織がなぜイノベーションを起こせないのかを質問されたときの返答。確かにどんなに会話をして会議をしようと、脳内の電気信号以上の速度では会話できない、ということはありますね。組織は大きくなればなるほど、イノベーションを起こすより、足並みをそろえることのほうが重要だったりします。組織の保守に手間をかけることになる。
(プロフェッショナルとは)やっぱり一つひとつ同じ仕事というのはなくて、その最初で最後の出会いというのをいかに濃密に過ごせるかということをやっている人だと思いますね。
最後の言葉。これは今度レビューを書こうと思っている「自分の仕事をつくる」という本に書かれていたんですが、「自分の仕事」を大事にする、ということに近いかもしれません。
Webの世界っていうのは、本当に変化に富んでいて、その中に居る人は激流の中で泳いでいる。だからそこから生み出されるものは本当に刺激的だし、恐ろしく美しいし、凄みがある。一方、自分のやっている世界は、いかにイレギュラーをなくすか、安定させるか、ミスをなくすかを徹底させるような世界なので、そういう意味ではまるで正反対。
最近「ヒエラルギーとフラット」の二項対立についてよく考えるのですが、中村さんはフラット型の典型(イノベーション、変化の真っ只中で生きる人間)、僕の生きる世界はヒエラルキー型の典型(大企業、金融の組込系で、いかにイレギュラーを無くしながら生きるかという世界)、なのである種、真逆だなあと。
自分自身としては、縁の下の力持ちでいたいし歴史や伝統を重んじる一方で、新しい技術に目がなくてその勢いやすごさに完全に目が奪われてしまうという二面性に引き裂かれそうな毎日。だって今のWeb業界はものすごいエネルギーの奔流に満ち溢れてるんだもの。IT業界の片端に居る人間としては、味わいたい。
改めてそんな思いを確認させてくれる番組でした。

