読了しました。著者は優れたアジテーターだな、と思いました。 言っていることは大方外していないけど、しかし煽られた対象が向かう先のリスクについてはほぼ語っていない点などについてそう思いました。
| 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708)) | |
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この本は、以前ベストセラーになった「若者はなぜ3年で辞めるのか?」の続編的な書籍となります。 Amazon見たら、この本についてレビューした人が08/04/22時点で174人もいて、 それだけ多くの人の印象に残った本と言うことでしょうか。個人的には、これらのレビュアーコメントも興味深いです。著者のある種「扇動」 ともいえる文章を読んで、どう考えるか、ということですね。
| 若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書) | |
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以下目次引用。
はじめに
第1章 キャリア編
昭和的価値観1「若者は、ただ上に従うこと」--大手流通企業から外資系生保に転職、 年収が二〇倍になった彼
昭和的価値観2「実力主義の会社は厳しく、終身雇用は安定しているということ」--新卒で、 外資系投資銀行を選んだ理由
昭和的価値観3「仕事の目的とは、出世であること」 --大新聞社の文化部記者という生き方
昭和的価値観4「IT業界は3Kであるということ」--企業ではなく、 IT業界に就職したという意識を持つ男
昭和的価値観5「就職先は会社の名前で決めること」--大手広告代理店で、 独立の準備をする彼
昭和的価値観6「女性は家庭に入ること」--女性が留学する理由
昭和的価値観7「言われたことは、何でもやること」 --東大卒エリートが直面した現実
昭和的価値観8「学歴に頼ること」--会社の規模ではなく、 職種を選んで転職を繰り返し好きな道を切り開く
昭和的価値観9「留学なんて意味がないということ」--大手企業でMBAを取得後、 安定を捨てた理由
第2章 独立編
昭和的価値観10「失敗を恐れること」--大企業からNFLへ
昭和的価値観11「公私混同はしないこと」 --サラリーマンからベストセラー作家になった山田真哉氏
昭和的価値観12「盆暮れ正月以外、お墓参りには行かないこと」--赤門から仏門へ、 東大卒業後、出家した彼の人生
昭和的価値観13「酒は飲んでも呑まれないこと」 --グローバルビジネスマンからバーテンダーへ
昭和的価値観14「フリーターは負け組だということ」--フリーター雑誌が模索する、 新しい生き方
昭和的価値観15「官僚は現状維持にしか興味がないということ」--国家公務員をやめて、 公務員の転職を支援する生き方
昭和的価値観16「新卒以外は採らないこと」--リクルートが始めた、 新卒以外の人間を採用するシステム
コラム(1) 企業に求められる多様化とは
昭和的価値観17「人生の大半を会社で過ごすこと」 --職場にはりついているように見える日本男子の人生
昭和的価値観18「大学生は遊んでいてもいいということ」 --立命館vs昭和的価値観
コラム(2) 二十一世紀の大学システム
昭和的価値観19「最近の若者は元気がないということ」 --日本企業を忌避しだした若者たち
昭和的価値観20「ニートは怠け者だということ」--「競争から共生へ」 あるNPOの挑戦
第3章 新世代編
昭和的価値観21「新聞を読まない人間はバカであるということ」--情報のイニシアチブは、 大衆に移りつつある
昭和的価値観22「左翼は労働者の味方であるということ」 --二一世紀の労働運動の目指すべき道とは)
コラム(3) 格差のなくし方
あとがき
目次が大体の内容を語っているかなーと思います。つまり「昭和的価値観」vs「平成的価値観」 の二項対立が主軸となっています。
で、ここで誤解が生まれそうだと著者が危機感を抱いているのは、決して「平成的価値観=アメリカ型価値観」 ではないということだそうです。アメリカほど過酷な競争社会に移行する必要はない、と述べています。 著者が打破したいのは「やった仕事の分だけ報酬が正当にもらえない若者」かつ「仕事以上の給料がもらえてしまう大企業の50代」 が存在する社会システムであり、また「どんな人間も自分の人生を押し殺して企業にイニシアチブを握られる」社会システムである、 といったことだそうです。
ただ、個人的には疑問もあって、それは「昭和的価値観は遠からず滅びるし、年功序列の中で生きている人間は貧乏くじを引く」 という点をほぼ確信的に信じているという点です。つまり昭和的価値観でいる限り、幸せにはなれないと確信していて、 早く平成的価値観に目覚めないと、ある種死んでしまうよ、ぐらいの煽り方をしている。
個人的には、これは「ヒエラルキー型からフラット型への移行のススメ」だと思うのですが、 ヒエラルキー型が滅亡するわけでなく、最終的に半々ぐらいで残る、というのが現実的な線だろうと思っています。 もしフラット型に自分が移行するならば、タイミングが重要になると見てます。
つまり、今無理やりフラット型に移行しても、 まるでベンチャーのような多産多死の一部のような扱いになる可能性を高く見てます。「フラット型」の生き方が、 ごく一部の人間しか出来ない社会から変化するタイミングを図る必要がある。
また、現状、年功序列で最も得をするのは大企業にいる団塊世代だったわけですが、その彼らが皆会社から抜ける。ということは、 企業は大掛かりな給料システム改革に乗り出すための大きな障害が取り除かれたことになる。その点についても考慮する必要があると思います。
とはいっても、この本はそれらの問題について考えるには格好の本ですし、内容も非常に鋭くまた示唆に富んでいる。お勧めの本です。


真の自立とは
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単なるエッセイの域を出ない


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