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「ブラッド・ダイヤモンド」鑑賞:「暗黒大陸」を最大効率で理解することが出来る映画

俺は初めて映画館で嗚咽をかみ殺して泣いた。しかも二度も。前からいい映画だとは聞いていて、見ようとは思っていたがまさかここまでの作品だとは。ダイヤモンドが欲しい、もしくはすでに持っている人は、絶対に見るべきだと、自分は考える。アフリカの暗黒大陸たる所以を知らない人も。

1800円と2:30の時間だけで、それらのことを知る事が出来る。知識だけでなく、心で感じる事も出来るだろう。最大の効率をもって。最高のエンターテイメントとして。子供兵士。虐殺。内戦。難民。麻薬。HIV。そして紛争ダイヤモンド。それらほぼすべての事を、だ。たとえ今まで何も知らなかったとしても。

「ブラッド・ダイヤモンド」とは、「ラストサムライ」の監督が作成した、レオナルド・ディカプリオ主演映画の題名であり、そして「紛争ダイヤ」のことである。あなたが買ったダイヤモンドの代金がアフリカで武器を買う資金になる事を考えた事があるか?その背景も含めて、映画を見に行くならば是非ここの解説をみてから見に行くと面白さが数倍になるだろう。超映画批評『ブラッド・ダイヤモンド』85点(100点満点中)。いっておくが、映画の舞台であるシエラレオネの内戦は1990年代に起きたノンフィクションである。問題はそんなノンフィクションな舞台から最高のエンターテイメント映画が生まれた点だ。

さて、以下感想。長文嫌いな方は飛ばしてください。

世の中に、残酷な現実を映像で映し出している名作映画は多い。「硫黄島からの手紙」」しかり「シンドラーのリスト」しかり。それらはすべてノンフィクションに限りなく近く、見る人の心を強く打つ。しかし、僕はそれらの映画で泣いた事はあっても、嗚咽をあげた事は無かった。

ではなぜこの「ブラッド・ダイヤモンド」で初めて嗚咽を上げて泣いたのか。それは、この「暗黒大陸アフリカ」の現状を知識として知っていたにもかかわらず、その現状に対して無意識に閉じていた現実感を強烈に刻まれたからだ。あまりに見事な映像描写と音響と、そしてあまりにすばらしすぎる役者陣をもって。

この映画の中で描写される今のアフリカ、通称暗黒大陸の現状は、過去の出来事でもなんでもない、今現在進行中の限りなくドキュメントに近い現状そのものだからだ。「今自分がすんでいる世界で起こっているもっとも残虐残酷かつ大規模(アフリカ大陸過半)な現実そのものだからだ」さらにはこれは「戦争」というよりほとんど「日常」なのである。アフリカを暗黒大陸と呼ぶなど生ぬるい。地獄そのものである。

ダイヤモンド採掘場を狙って革命軍と政府の間で行われる戦い。革命軍は、採掘場周りの村を襲い労働力を確保する。いきなり村に襲ってきて、大方を虐殺。生き残りの大半を「投票をさせなくするため」という理由で腕を切り落とし、残りを採掘場に連れて行く。子供はさらって洗脳して少年兵にする。ドラッグ漬けだ。8歳の男の子が銃を持って村人を撃っているのだ。そしてその村の子供は少年兵になる。三人の主人公の一人である黒人の漁師は、自分は採掘場に、子供はさらわれ少年兵にさせられてしまうのだ。

すべて文章で知っていたし、写真でも見ていた。しかし映像でほぼ完全に再現されると(この映画はR18だった)、そのインパクトそのものが違う。いかに、自分が残酷な現実に対して五感を閉じていたかを思い知った。L.A.の旅行で銃という圧倒的な暴力を体感していたからなおさらだった。

その中で三人の主人公がおり、一人はディカプリオ演じる武器とダイヤの商人、一人は現地の村の不運な漁師、一人は今の現実を暴きだそうとしているジャーナリスト。俺はそれらの役者に泣かされ、嗚咽まであげさせられたのだ。詳しくは見て欲しい。言葉では説明できないから。

そして最後に書くべきことは、舞台のアフリカの都市がまるでアメリカL.A.とほとんど印象が変わらない事だ。どれだけ白人たちは世界を、そしてアフリカを蹂躙してきたのだ。アフリカの文化がもはやそこには存在していない。白人の技術で出来た家に住み、白人の技術で出来た服を着て、白人が作った車に乗り、白人の生み出した銃器を持って、黒人同士が殺し合いをしている。子供も含めて。白人が欲しがるダイヤモンドを買う為に。

舞台となったシエラレオネは、平均年齢34歳の国。世界で一番平均寿命が短いそうだ。そして日本は世界で一番平均寿命が長いそうだよ。そして世界で二番目にダイヤモンドを消費しているそうだ。だから僕らはこの映画を見る必要があると考える。巨大な映画スポンサーである宝石業界を敵に回してまで、このすばらしい映像と音響と役者と演出でくみ上げられた一級のエンターテイメントを作成した、キャストとスタッフに報いるために。


P.S.
もっとも一番見るべきである国アメリカでの興行収入は、芳しくなかったようだ。米Box Officeの2006年公開映画の統計(米国国内の興行収入)によると『ブラッド・ダイヤモンド』は、全米収入で56位だそうだ。同じディカプリオ主演の『ディパーテッド』は、全米15位のヒットだったのに。

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コメント (1)

西岡:

国内映画興行収入を調べてみましたよ。

ばったすいみんぐすくーる 国内映画興行収入ランキング(5月2週目) 【映画】
http://battaswimmingschool.blog86.fc2.com/blog-entry-264.html

によると、現在ブラッドダイヤモンドは興行収入9億円を突破。社会派映画は10億円が壁らしい。

ちなみにスパイダーマン3は40億円突破しているし、パイレーツオブカリビアン・デッドマンズチェストは100億円を突破しているそうだ。

ちょっと悲しくなる。

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2007年05月20日 01:27に投稿されたエントリーのページです。

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